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雅樹
「おっと…こんなことしてる場合じゃない」
ゆっくりとドアが開いていく。
雅樹
「もしも~し…」
恐る恐る、扉を開けてみると廊下には誰の姿もない。
夏希
「ッつ~…」
雅樹
「おぅ!?」
いた。
俺の足元でうずくまって額を押さえてる人が…。
雅樹
「大丈夫か…姉貴?」
どうやら跳ね返ってきた扉が、でこに直撃したらしい。
夏希
「う゛るざい…」
かすかな鼻声。
こりゃあよっぽど痛かったんだろうな…。
雅樹
「こ…氷いるか?」
腫れてたら大変だ…。
これって俺の責任なのかな?
夏希
「……いや…大丈夫…だ」
そんなフラフラ立ち上がったって、全然大丈夫そうに見えないんですが…。
夏希
「よく寝る子は育つ。
しかし何事も適度ってものが大切だ」
赤くなったでこが、やけに目立つ。
雅樹
「はい…すいません」
あの目覚まし時計、俺のじゃないんだけどなぁ…。
俺が一番びっくりしてるっちゅーにっ。
夏希
「まったく…。
顔に傷でもついたらどうしてくれるんだ…」
雅樹
「そいつは大変だ。
だが安心しろ姉貴!
その場合は、
俺が責任とってお嫁にしてやぶふぅっ!!」
夏希
「わはは! してやブー」
雅樹
「ふ…不意打ちで頬をひっぱたくのは無しだろ」
夏希
「目、覚めただろ」
うわ…すげーいい笑顔。
雅樹
「そうだな。
おかげで頭もちょっと良くなった気がする」
夏希
「ほう…」
雅樹
「今日は…火曜日」
夏希
「水曜日だバカ」
雅樹
「あれま」
さっきの衝撃で昨日の記憶飛んだんじゃないの、俺。
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