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夏希
「口に出してたぞ。全部」
菜穂子
「雅樹、初恋の人って誰?」
雅樹
「え…まじ…?」
夏希
「それと転校生なら来るぞ」
菜穂子
「私の知ってる子なの?」
雅樹
「ちょ、まっ」
夏希
「しかも帰国子女」
菜穂子
「今も好きなの?」
雅樹
「うぉぉい!
いっぺんに話すな!」
聞き取れねぇ!!
雅樹
「よし、じゃあまず姉貴」
夏希
「なんだ?」
雅樹
「紗耶を知ってるのか?」
夏希
「知ってるもなにも…。
面接やったの私だしな」
そういえば、紗耶は今年から一緒に通うんだった…。
夏希
「なにを聞いても、
なんも言わないんだぞ?
喋ったと思ったら『ん』しか言わないし…」
雅樹
「そりゃあそうだろうな…」
それだけなら…まだマシな方だったと思う。
雅樹
「そんなことよりっ!!」
夏希
「なんだよ」
雅樹
「転校生ってまじかっ!?」
夏希
「ああ」
雅樹
「しかも帰国子女!」
夏希
「ああ…」
雅樹
「女!?」
夏希
「……うん」
雅樹
「3年生?」
夏希
「ああ」
受験の時期に転校とはずいぶんと変わってるな…。
夏希
「私のクラスだ」
雅樹
「俺は!?」
夏希
「………」
雅樹
「俺は?」
夏希
「私のクラス」
雅樹
「うげ…姉貴が担任かよ」
夏希
「嫌なら転校しろ」
無理ですぅ。
雅樹
「んでんで?
転校生ってどんな子よ?」
夏希
「帰国子女」
雅樹
「それだけ…?」
ほかには?
夏希
「私もまだ会ったことないからよくわからん」
まだこっちには来てないってことか…?
夏希
「始業式には間に合うらしいけどな」
雅樹
「そか」
これは始業式が楽しみだ…。
帰国子女ってことはきっと上品なお嬢様なんだろうなぁ~。
俺が一番最初に仲良くなってやるぜ。
雅樹
「次、お袋!」
菜穂子
「はい」
雅樹
「初恋の子は、
ずっと昔のお話です。以上!」
そう…昔の話。
すっげー美少女とすっげーカッコ悪い男のお話…。
まぁそのおかげで、恋愛っていうものの難しさとかを学ぶことができたわけなんだけど…。
菜穂子
「そう…」
お袋は、それ以上は聞こうとしない。
夏希
「きっとあの子だろ?
よく遊んでたいち」
雅樹
「ご飯おかわり!!!」
菜穂子
「はい」
夏希
「いちじょ」
雅樹
「大盛でたのむぜ!!!」
菜穂子
「ふふ…はいはい」
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