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結局、彼女に引きずられる形で保健室に行くことになった。
しかし、一通り見渡すが誰もいる様子はない
『よし、誰もいないな
じゃあ、俺は帰るから』
『ちょっと待って!』
帰ろうとするのを彼女が引き止める。
『先生いないですかー?』
改めて保険室担当先生がいないことを確認すると、純は慣れた手つきで机をあさり傷薬を取り出す。
『そこに座ってジッとしてて』
『手馴れてるね』
空は言われたとおりに椅子に腰掛ける。
『まぁ、あたしは千莉とかよく来るから』
千莉とはクラスメイトの土師 千莉(ハジセンリ)のことだろう、千莉は目が見えず体も弱いので、学校の中では純やその友人がいつも一緒にいて世話をしている。
薬品をガーゼにしみこませるといきなりそれを空の頬に押し当てた。
『痛てぇ!』
傷薬が思いのほかしみた
『ごめん!ちょっと痛かった?』
『いや、大丈夫』
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