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ラレルはリンチされている自分を助けようとは一切思わない通行人に対し絶望した。
「お前らには良心がないのか」
ラレルは奴等の靴底で泥だらけになりながら叫んだ。しかし鬼畜共はこう答えるのだ。
「あるとも! だからこそお前みたいな社会のクズを攻撃しているんだよ!」
「お前自分が不当にいじめられていると思っているのかァ?
てめえに生きる価値があると思っているのかァ?」
「そう思うならそこのおっさんに『助けて』って言ってみろよお! お前がクズじゃなきゃ助けてくれるかもよ!」
そのおっさんはリンチされているラレルを楽しそうに横目で見ながらコンビニに入ろうとしていた。
「助けて……」
もちろん無駄だった。おっさんはぷいと目を反らし、コンビニの中に入ってしまった。
また鬼畜共は言うのだ。
「俺達が悪だと思うならそこの女子高生に『助けて』って言って見ろよ!」
二人の女子高生がコンビニに入ろうとしていた。彼女達がリンチの現場に目を向けると、ちょうどラレルと目が合った。
「助けて……」
二人は眉をしかめた。
「うわっ」
「キモッ」
二人は早足でコンビニに入ってしまった。
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