救いの手

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「俺がゾンビか何かに見えるのか」  自分は退治されるべき存在なのか、自分のキモさが悪なのか 「フヒヒヒ! 誰も助けてくれないなあ!」 「当たり前だぜ! トイレで流されるウンコを助ける馬鹿がどこにいる!」  女子高生の二人組とすれ違いに、小学生ぐらいの女の子がビニール袋を片手にコンビニから出てきた。しかしラレルはもう助けを求める気はない。 「全て俺がキモいのがいけないのだ」 「よく分かったな! そりゃご褒美じゃ!」  倒れたラレルの頬はまた踏みつけられ、茶色いギザギザ模様が増えた。  今出てきた少女も自分のことを嘲笑しているのだ。ラレルはそれを確認しようとして、コンビニの方を向いた。彼女は居なかった。  もうとっくに行ってしまったか……違う! 彼女はラレル達の近くに立っている! 「やめなよ」 「は?」  少年達は疑問の声を上げた。ラレルに救いの手が差し伸べられるとは微塵も思っていなかったのだろう。 「大丈夫?」  少女はラレルの汚い手をとって彼を起こした。普通の出来事に見えるだろうか? しかしこの少年達にとってそれはあまりにも異常な光景だったに違いない。また、ラレルにとっても。
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