救いの手

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「あ、ありがとう」  ラレルはどうしていいかわからず、とりあえずお礼を言ってみた。少女は少しはにかんだ。目鼻が整った可愛らしい娘だ。しかしだいぶ個性的な姿でもある。特に髪型がそう。  その髪は長く、金に染めていて、ツインテールにしている。アニメならばよく見かける髪型だが。何かコスプレの趣味があるに違いない。ラレルはそう思った。  ちょっとおかしな様子だけれど、可愛い娘がキモさナンバーワンのはずのラレルと仲良さそうにしているなどということは到底いじめっ子達には受け入れられなかった。 「おい、お前そいつとどういう関係なんだ」  リーダー格のイケメンサッカー少年が少女に問い詰める。 「初対面」 「そいつは学校一の嫌われ者なんだ! キモいんだ!関わるな! お前もキモくなるぞ!」 「意味わかんないんだけど。 人をいじめて喜んでいるあんたの方がキモいよ。」 「んだとコラァッ!!」  その少年は殴りかかった。このようなありきたりな言葉……同じことをラレルや教師に言われても何とも思わない彼だが、美少女に言われるのは気に食わなかったようだ。しょっちゅう女の子にちやほやされているからだろう。一人でも自分よりラレルの味方をする女の子がいることが許せないのだ。
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