救いの手

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「これはきっと運命の出会いに違いないわ! 今日の星占いが当たったんだよ! 良かったね殊音」  今度は殊音とラレルが一緒に頬を赤らめた。 「な、なんのこと?」 「ほら、今日の朝テレビで獅子座の人は素敵な出会いがあるかもって……」 「私双子座なんだけど?」 「そうだっけ?」 「一緒に住んでるんだから誕生日ぐらい覚えてよ。獅子座はあんたでしょ」 「! ということは」  はっとしたその女性は、ラレルの顔を横目でちらちら見始めた。まさか、この僕に欲情し始めたのか! 大人の女に筆下ろしされちゃうのも言いかも知れないな。ラレルは再び妄想を開始した。 「仲良くしようね。ラレルくん。名前もなんか似てるし!」 「一文字だけじゃない」  殊音のツッコミを無視して、鳴は身を低くし、ラレルに向かってにっこり微笑んだ。妄想のしすぎか、ラレルにはやや淫らな笑顔に見えた。  よく見ると、なんとエッチな身体をした人だろう! 服の下からでもはち切れそうな乳はもちろん、重力に抵抗する大きなまるい尻、それらを強調する腰に引き締まった太股も、ラレルを興奮させた。グラビアアイドルにいそうな女性だ。  しかし引きこもりであるラレルを一番興奮させたものは、そんな女性が目の前に居る、そのこと自体だった。 「ねぇ、そろそろお風呂入れると思うけど」  殊音が低い声で言った。
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