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「いやあ、実に素晴らしいところにきた」
湯につかりながら、ラレルは言った。なかなか広い。シャワーが3つ並んでいることからも明らかに一人用ではない風呂場だ。湯船も三人か四人一緒に入れそうである。
ただ、大きさのわりには入っている湯の量は少なかった。小学生のラレルとっては、特に問題はないが。
「ここで暮らしてるっていってたな、殊音ちゃんは。でも、住んでるのは殊音ちゃんと先生だけなのかな? 俺も一緒に住み込めたら……。うふふ」
ラレルのスケベな妄想は留まることを知らなかった。それでも鼻血が出ることはない。血は下半身のウインナーへぐんぐん集まってゆくので。
「だけどここでするわけにはいかないな。そろそろ上がるか」
一方、殊音たちはキッチンで料理の支度をしていた。
「今日はラレルくんが来るから豪勢にしようと思ってたの」
「何作るの?」
「カレーライス」
「まあ、うちじゃそれが限界でしょうね」
殊音は溜め息をついた。実はここ「あおぞら」の経営状態はかなり悪いのだ。
「ちゃんと肉も入れるよ! 豚肉百g、買ってきたから」
「一人30gかあ」
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