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「ダメよ、自分の無知を人のせいにしちゃ」
「てめえええ!! もうぶちぎれた! てめえをぶち殺して全国のお茶の間に俺の名を轟かせてやるぜ!」
「未成年は実名報道されないのよ。そんなことも知らないなんてやっぱり学校に行ったほうが良いみたい」
「くそおおおおお!!」
「どうでも良いから早く学校に行きなさいよ。息子がひきこもりだなんてご近所に知られたら恥ずかしいじゃない」
「息子より近所の評判の方が大事なのか!」
「うん」
「うわあああああ!!」
ラレルが引きこもってからというもの母は一時間おきにラレルの部屋に訪れ、学校に行くようにこのような毒電波入りの説教をしに来たので、ラレルの精神は限界に近づいていた。
テレビドラマなどでラレルが学んだことだが、このような親の襲撃は家庭内暴力で乗りきるようだ。
ラレルもバットを物置きから持って来てみたりしたものの、彼は口は悪いが根は優しい人間なので、母を殴り倒すことなどできなかった。
ラレルが母から受ける扱いはこの通り酷かったが、それは母に愛が無いからではなく、ちょっとした頭の問題なのだ。
少なくともラレルはそう思っていた。
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