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結局、母の説教から逃れるためにラレルは家を出ることを選んだ。しかしどこに行こうか。
どこかの不良のように一日中遊び回っていれば良いのかも知れない。だが、インドア派小学生のラレルはゲームセンター以外に外で時間を潰す場所を知らない。また、そんなことに使うための金を母が出してくれるはずがない。
そこでラレルはフリースクールに通おうと思い立ち、母に相談してみた。
「いやよ。高そうだし。」
「はあ!?
ふざけんなクソババア!」
「だいたいフリースクールなんて社会に適応できない
『人間のクズ』が行くところでしょ?そんなとこ通ってたら情けないわ。」
これにはラレルもさすがに堪忍袋の緒が切れた。
「呆れた女だ。生かしておけぬ。」
自分のことだけならまだしも全国の悩める青少年を侮辱する母が許せず、ラレルは台所に向かい包丁を取り出した。
「わかった!わかったから!
どこにでも行っていいからやめなさいよ!」
「くそっ、このババア……」
どうにも人間らしさを見せない母に対してラレルは悔しさを感じた。が、こうしてラレルはフリースクールに通えることになったのだ。
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