救いの手

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 勿論これはラレルが好きなアニメキャラの台詞だ。銀様にイジメられるのはラレルの夢だがこんな糞ガキにアニメキャラの真似をされると自分のアニメ愛を侮辱されているように思えて我慢ができない。しかし怒りを露にしたらさらにいじめっ子の思うつぼではないのか。 「おい小島、ヤクルト出せよ。こいつ乳酸菌が足りねえみたいだからよ!」  小島少年は先程このコンビニで買ったと思われるヤクルトを取り出して蓋を開け、イケメン少年に渡した。 「おら、飲めよ!お前と銀様の大好きな乳酸菌だぞ!」  イケメンは油ぎったラレルの顎を掴んで、ラレルの鼻にヤクルトの口を押し当てた。 「ぶ、ぶひっ!」 「鼻から飲んだ方が効くんだぞちゃんと飲めよ!」  飲める筈がない。鼻に入ったのは少しだけで、半分以上はラレルの顔を伝っていき服と胸を濡らした。 「おいおい勿体ねえなあ!」 「食べ物を粗末にするんじゃねえよ!」 「ぶふっ!」 「うわっ!」  ラレルが鼻からヤクルトを噴き出すと少年達は身を縮め、眉をしかめた。 「鼻水と一緒に噴き出しやがった!」 「きたなーい!」 「おい、ヤクルト代とクリーニング代払えよな!」
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