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そこで、再会して度肝を抜かれたのは、
酒屋の息子のYだった。
Yの酒の飲み方は、恐ろしかった。
Yは酒と名のつくものなら、
なんでも飲むし、
飲む量も勢いも、
明らかに『別格』だった。
私は、この男には、絶対に勝てないと悟ったが、
何故か、イッキ飲み対決をしていた。
Yが飲む酒は日本酒にたいして、
私は、ビールというハンデもあったが、
それにも関わらず惨敗だった。
惨敗どころか、
何杯かイッキした時、
リバースしてくる胃液を飲み込みながらも食らいついていって、
Yも少し驚いてはいたようだが……
その後は、ヒドい醜態をさらしてしまった。
店の中で寝てしまい、
汚い話だが、寝ゲロしたまま記憶はぶっとんで、
顔面に油性マジックで落書きされたまま、
家まで皆に担いでもらってやっとたどり着いた。
その時、ついた不名誉な、あだ名が『マーライオン』だった。
その後の同窓会も三回ぐらいは、そのあだ名で呼ばれることになった。
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