小さな配達人

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「これ……全部ですか?」 玲奈が驚くのも無理はない、ケーキがホールで二つあるのだ。 「遠慮なく食べていい、お代はもう払ってあるから」 とりあえず、八分の一に切ったケーキを二つ渡す。 「あ、ありがとうございます」 と言って皿を手に取る。……本当に可愛い子だなぁ、小動物系ってやつかな、警戒心がびりびり伝わってくる。 「それで、いつ気付たの?俺が特環の人間じゃないって」 「?なんの事でしょうか」 玲奈は動揺を隠すようにいった。 「とぼけなくていいよ……警戒しっぱなしだし、大して熱くもないのに軽く汗かいてる」 玲奈がゆっくりと口を開く。 「………すみません……騙すような真似をして」 「気にしなくていい、先に騙したのはこっちだ」 玲奈が真剣な顔をする。 「………あなたは誰なんですか?」
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