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「なにもんだお前っ!」
ゴーグルをかけた少年が言う。
「ん~鉄鋼(スティール)っていえば分かるかな?君は特環の局員だろ」
特別環境保全事務局、通称”特環”、虫憑きを捕獲し管理する組織、晃みたいな野良の虫憑きにとってはとても怖い存在だ。
「スティール!?今いる野良の虫憑きの中でレイディーバードの次に強い言われている、あのスティールか?」
少年は丁寧に説明してくれた、大助かりだ。
スティール
”鋼鉄”………それが晃の虫憑きとしての名前、特環では強力な虫憑きとして指名手配されている、しがない旅人。
「そうゆう事だから、おとなしくこの子は諦めて帰った方がいいぞ」
あくびを噛み殺しながら晃は言う、追われていた少年は無言のままどうしたらいいか、迷っているようだ。
「何言ってやがる、スティールを倒したとなれば俺の株も上がるってもんだ」
晃はため息をついた………そして、自らの虫を出す……………静かに虚空から甲殻が金属のような物で出来ている細長いムカデが現れた。
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