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急に視界が真っ白くなり、少女は我にかえった。
いつのまにか目の前に太陽光がなみなみとふりそそぐ小さく開けた場所に出ていた。
少女はなんとなくうれしくなりその真ん中あたりに立つと、くるっと一回転した。
いっしゅんふわりとふくらんだ服はスーッと細くなってゆく。
ほんのり暖かいその場所は少女を少し安心させたようだ。
何気なくすこしうつむいて手のひらを見た時、その反射が太陽の光にしてはあまりにも強いことに気がついた。
さっと前髪をかきあげ見上げた。
そこにはさっき少女を飛びこえていった存在がゆらゆらと浮かんでいた。
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