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突然
その存在が大きくゆらめき、ゆるやかな波動が静かに放たれた。
音のない音が少女にだけ伝わったようだ。
「大…天使…様?」
少女は自然にひざを地面につけ胸に両手をあてた。
涙がかってにあふれでてくる。
存在ははためきながら少女の前へ降りてきた。
炎でゆらめく六枚の翼が大きくふくれあがり少女の全身をつつみこんだ。
言葉ではないたくさんの情報が螺旋を描くように少女の頭の中に直接は入り込んでくる。
少女は目を閉じその情報の渦に抗うことなくもぐりこんでいった。
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