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桜並木を歩きながら涼子と七海は小学校へ向かった。
「ママ、さくらってきれいだね。」
「そうねえ。きれいねえ。一年に一回、この季節しか咲かないのよお。」
「キセツってなあに?」
「はる・なつ・あき・ふゆのことよ」
「ああ、わかったあ。」
「わたし、字もよめるし、計算もできるよ。小学校でなにするの?」
涼子は吹き出した。
「七海、まだまだ七海の知らないことはたくさんあるのよ。それをお勉強するのよ。」
涼子はまたこの日が来るのを待っていた。恭一に会えるのだ。
夕食を終えた後、涼子は七海を隣に座らせた。
「七海、パパからのビデオレターよ。」
「え~パパあ~、早く早くう。」
涼子はビデオを再生した。
「あ、パパだ~。」
《・・・・・七海、小学校入学おめでとう。見ないうちに大きくなったねえ。もう、お姉さんだね。
今日はどうだった?きんちょうしたかな。小学校はね、幼稚園より、もっともっと楽しいよ。
七海は今、何して遊ぶのが好きなのかな?パパが一年生の時はね、野球が好きだったよ。あとはザリガニ釣りしたり、虫を捕って家で飼ったりして遊んだよ。
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