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  「…あ、分かった。今日はエイプリルフールだな?」 『残念だけど今日は7月半ばもいいとこどっこいだよ』  今の秋護には、何だか使い方を間違えている日本語を正させる余裕もなかった。  つい今し方自分が夢の中で告白した伊藤亜紀が、現実の世界ではあの持田に告白したというのだ。  なにか言い知れない因縁のようなものを感じずにはいられなかった。 「それで、持田の方は亜紀ちゃんの告白を受けたのか?」 『それがね~、僕も噂で聞いただけだから詳しいことは分かんないんだよね』 「おいおい。お前の中では噂イコール情報なのか?」 『あ、ほら。だから秋護が自分で確かめればいいじゃん。今日も行くんだろ、日課?』  
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