序.

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 その彼女は男――秋護が待たせていた伊藤亜紀本人であった。  その亜紀がてくてくと近付いてくるにつれ秋護の心臓がより一層の拍動を始める。     くそっ、決心はさっきしただろ?俺    自分に言い聞かすようにして小声で呟いて目をつむる。  そこでは一面闇の世界が広がっていて、秋護は妙な安堵感を覚えた。    一呼吸程の間を置いてやおら目を開くと、そこにはもう亜紀がいた。   遂に来たかこの時が… 
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