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ふらふらと、いつもの見慣れた地平線に小さな影が現れ、それは近づいてくるにつれ、人の形をとりつつあった。
「なんだ?」
目を細めた青年は、村の一番端に向かう。
青年がたどり着いた時、村で一番大きな木樹の下に踞る老人の姿があった。
「お・・おい!じいさん。」
青年にとって初めて、村人以外の人間だった。
「はぁ。やっとたどり着いた。」
老人は、青年の言葉には反応せずに、深いため息と共に、言葉を吐き出した。
「じいさんは、こんな所を目指してきたのか?」
ゆっくりと老人の背中に自分の上着を被せながら、青年は聞いた。
「ふふふ。こんな所か。」
青年の言葉に、柔らかな笑みを老人は浮かべた。
「わしは、ここにいるお前さんを目指してきたんじゃよ。」
老人の言葉に、青年が狼狽する。
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