01 はじまり

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「相変わらず騒々しいやつだな」 要の部屋を出ていく前、そう要が呟いたのは、聞かなかったことにしておこう。 「…………困った」 勢いづいて家に帰ったのはいいものの。私の目の前には大量の教科書、プリント、参考書の山がある。一応言っておくとそれは全部白紙で、どれに手をつければいいかわからない。 「えーとまず数学……」 あれもわからない、これも、それも。 わからない、だけで一ページ終わってしまった。 なんかもういっそ清々しいくらいわからないな。泣けてくるよ。授業も聞いてないやつが、いきなり問題を解けるはずがない。 次に授業のノートを振り返る。 「うわ、なにこれ、ミミズか!?」 私のノートには、ミミズやらミジンコみたいな最早文字じゃない羅列。 多分、眠さが極限に達してこういう字になったんだろう。 だったらもういっそ書かないほうがいいだろう、絶対。 「うがぁ!」
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