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……って過ぎた模試三日前の夜。
「ダメじゃん」
そう言ったのは、私の友達の桜田 奏(さくらだ かなで)。
肩につくくらいの黒髪に、至って普通の顔立ち。
すごいズバズバ言いたいことは言う、強気な性格。でもそれが私にとっては付き合いやすかったりするのだ。
「だから困ってるんだよ!ねぇ、どうすればいいと思う?」
「うーーん……あ!」
「なに?」
「…………諦めれば?」
素晴らしいほどの笑顔で、一番楽な、けれど一番残酷な言葉を言う奏。こいつには要と同じ匂いがする。
大体、それしたら私の人生が終わるだろ!
「うがぁ!」
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