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地図タイトルには、そう書かれていた。
確かにもっともらしいタイトルと内容であった。
露店商も、もっともらしく、簡単なルート説明と、マーキングまでしてくれた。
世間知らずなライラスは、すっかり信じ込んでしまった。
「あ~あ」
軽い溜息とともに、もう一度消沈の声を漏らす。
「やっぱ騙されたんかなぁ…」
1マイル(約1.6キロ)くらいまでは、
概ね合っていた。
しかし、
1マイルを過ぎたあたりから、
差異はドンドン開いていって…
さらに3マイルも進んだこの辺りでは、すでに原型を留めてはいなかった。
騙された、と、みるのが、
妥当だろう。
気付いたところで、
時、既に遅し。
幸い磁石は有効なようなので、
方向だけは何とか把握できる。
よくみれば、
地図そのものは一応ホンモノであったらしい事も判った。
ただし、作成年月日が、百年前になっているが…
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