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翔子は自分で言って笑ってしまった。
28歳の椎名さんが、20歳とか、趣味は女を口説く事なんて冗談でも言わないだろう。
「…仕事するか」
スタッフルームを出ると、翔子は仕事場に戻る。
「あ、椎名さん何でした?」
梨奈は、翔子の姿が見えると駆け寄ってきた。
「あー…シフトの話」
そう言うと梨奈が少し残念そうな顔をした。
「なぁんだ、てっきりクリスマスのお誘いかと思いましたよ」
「はぁ!?何でそうなるの…」
「だってぇ、そうだったら楽しいかなぁと…」
「楽しくないない」
「翔子さん位ですよ、椎名さんの事毛嫌いしてるの」
確かに容姿はいい。
大人の魅力もある。
皆遠巻きに椎名さんの事を憧れてるのも分かる。
「私は苦手なの…何考えてるのか分からないし」
「それもミステリアスじゃないですかぁ」
「本田さんに長谷川さん、口だけじゃなく手も動かして下さいね」
2人が後ろを振り向くと、椎名が立っていた。
「すみません」
「すみませーん」
翔子と梨奈はそう言うと、交代の準備を始める。
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