イブ6日前

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「と…取り敢えず、時刻表を見よう」 ホームの時刻表を探す。 確認すると12時丁度に電車があるようだ。 「今は……11時50分だからこれに乗れば間に合う」 ホッと一息付くとベンチに座った。 乗り換えする人や、階段を上がって行く人を横目で見ながら、手を擦る。 ボーっと、見ていると見覚えのある顔が横切っていった。 「あ、ちょっと!」 振り向くと眼鏡にコートを来た昨日の男が、不思議そうに振りかえる。 「……あ、昨日の……」 「携帯拾ってくれたのに、あんな態度取ってごめん」 「気にしなくていいですよ」 昨日と同じ控え目な笑顔で笑う。 「変なメールが来て、それでちょっと敏感になってたんだ」 「いいえ、昨日も謝って貰ったから。そう言えば、降りるのこの駅じゃないですよね?」 「あー…寝過ごしてね。ってなんで知ってるの?」 「僕、大体同じ電車にいつも乗ってますから」 「…もしかしてストーカー?」 「違いますって!あそこの駅から乗る人少ないし、いつもベンチで待ってるから何となく記憶してるだけですよ」 少しムキになって彼は言う。
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