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「冗談だよ冗談」
「何か貴方が言うと冗談に聞こえないです」
真顔で彼がツッコむと、何だかおかしくて、笑ってしまった。
「そう言えば名前は?」
「悠太です。河合悠太」
「その名前は偽名?」
「何でそうなるんですか」
そう言うと、彼はコートを少し開ける。
そこには、"河合悠太"と書いてあるネームプレートがあった。
「じゃあ違うな」
「何がですか」
「何でもないよ、私は本田翔子。また携帯落としたらよろしく」
「どんなのですか、それ」
電車が来るアナウンスが聞こえた。
「あ、電車が来たみたいだ」
「じゃあまた電車で」
河合に手を降ると、翔子は電車に乗った。
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