謎のメールと謎の眼鏡

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「今年も独りか…」 クリスマスにはセールと言うものがある。 カップルと思われる男女や、明らかに相手にプレゼントを選んでいると思われるのを見ると、非常に悲しくなる。 翔子はその光景にため息を付いた。 勿論、接客商売なので公にはしないが。 「どうしたんですかぁ?」 同じ場所に立っていた梨奈が小声で囁く。 梨奈は、愛嬌のある今時の可愛い子だ。 長いロングヘアー仕事中は結んでいる。 「クリスマスだなぁと思ってさ」 カウンターに肘を付きながら、翔子は答えた。 「セールは忙しいですよね」 翔子の言った意味が分からず検討違いな事な答えを返す。 「そうじゃなくて…」 「すみませーん」 一組のカップルに呼ばれる。 「はいっ」 梨奈は、呼ばれた方へと行ってしまった。
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