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「ほらっ、早く」
仕事が終わり、晴に連れられて来たのは某ブランドショップ。
見れば翔子の店とは0の数が1つも2つも違うものばかりだ。
「こんな高価なの買うの?」
ショーウインドウのアクセサリー達を見て、翔子は怪訝な顔をした。
「そっちじゃなくてこっちよ」
晴が指差す方向には、マフラーが置いてある。
「彼女でもないのにそんな高いものあげたら引くでしょ?ブランドモノだけど比較的安いものにするのよ」
「なるほど…」
晴は楽しそうに選び始めた。
翔子もブランドものには興味ないが、何となく目をやる。
「…晴」
「何よ」
「マフラーでも3万近くするんですが…」
ビックリなお値段に、翔子は手を引っ込めた。
「今まで付き合って貰ってたのに値段見てなかったの?」
何回も頷く翔子に、晴はため息を付く。
「まぁいいわ。これにする」
晴は、黒のマフラーを持ってレジへと向かう。
毎回毎回、翔子は何で買い物に付き合ってるのは分からない。
自分で決めるんなら、別に私連れてくる意味ないのに。
晴曰く、1人で選ぶより誰かいた方が楽しいからだそうだけど。
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