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「私も晴に聞いて欲しい事があるんだけど」
居酒屋について落ち着くと、翔子は話を切り出した。
「何?」
翔子は携帯を取り出すとメールを見せる。
一通り目を通すと、晴は携帯を返した。
「フルネームとアドレスと会社がバレてるんだから、社内の人間じゃないの?」
「でもそんな名前の人いない」
「そんなの偽名かも知れないでしょ?歳も本当か怪しいし」
「アドレス交換してる子の中にもいない」
「あると便利だからってアドレス名簿みたいなの作ったじゃない」
晴に言われて翔子はドキっとした。
確かに少し前にそんなものを作ったのをすっかり忘れていた。
「でもあれって椎名さんが管理してるわよね」
晴の言葉に翔子の顔が青ざめる。
「…じゃあ椎名さんが…」
「それはあり得ないでしょ。もう28になるのにこんなメール送らないわよ」
「やっぱりそうだよね」
誰がこんな事をしたんだろう。
変なサイトとかも一切してないのに。
「何か返信してみる?」
「…何が?」
「それよ、何か分かるかも知れないでしょ」
「いいけど、晴やってよ。私はもう返信するの嫌だ」
携帯を渡すと、晴は素早く入力して送信した。
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