イブ5日前

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これで斎藤宝に怯えなくて済む。 少し安心すると翔子もジョッキを開けた。 それから何杯か追加して、一品料理の数も増える。 晴はチラチラと時計を見る。 時計は10時前を指していた。 …そろそろ来る時間か…。 翔子がそう思った時、 「お待たせしてすみません」 目の前に椎名が表れた。 「全然大丈夫です。どうぞ」 晴はいち早く隣の席に座れる様に荷物をどけた。 はやいなぁ… 翔子は思わず苦笑した。 メニューを渡してどれにするか決める椎名のすぐ横で晴もメニューを一緒に見る。 「…じゃあビールで」 「私も。後これとこれ」 端から見れば美男美女カップルだな。 美女は少しケバいが。 そんな事を思いながら、翔子はジョッキをあけた。 「椎名さんって彼女いるんですか?」 「いえ、いませんよ」 「じゃあ好きな人は?」 「それもいません」 「じゃあ、彼女候補に立候補してもいいですか?」 「考えておきます」 一方的に晴が話し、椎名が返答する…と言う構図が出来上がっていた。 翔子はそんな二人を眺めているだけだった。
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