イブ5日前

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「ごちそう様でした」 店を出たのは12時少し前。 翔子の終電が無くなるので解散となった。 晴と椎名は家が同じ方向らしくタクシーに相乗りすると言った。 「いえ、たまにはこういうのもいいですね」 「翔子ぉー、また飲もうねぇ」 「じゃあまた。お疲れ様でした」 酔って気分の良い晴は、椎名に寄っ掛かかりながら、タクシーに乗る。 椎名さんでも酔っぱらいを介助するのか…。 やっぱり私が変な風に見すぎたのか。 そんな事を思いながら、駅に向かう。 終電という事もあり、電車はガラガラだった。 だから、河合がいるのが直ぐに分かった。 「あれ?本田さん?」 少しフラフラしながら歩いてきた河合の顔は赤い。 「飲んでた?」 「上司に誘われて。終電なので逃げて帰って来ました。本田さんは昼勤じゃなかったんですか?」 「私も飲んでたんだ」 「え。そんな風に見えない」 翔子の顔は赤くもないし、普段と変わる所はない。 お酒が強いと言われるが、別に酔ってない訳ではない。 「これでも酔ってるよ」 「嘘だぁ。普通ですよ」 河合が翔子の隣に座る。 ビールの匂いが少しする。
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