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「んーっよく寝た」
自分の家で、独り言を言って起きた。
そろそろ、体力的に限界が近づいているな。
今日で、6連勤目。
幸いなのは、今日が夜勤で、朝がゆっくりな事だ。
時計を見ると、まだ、10時。出勤は、15時から。
二度寝出来そうだな…。
布団にダイブしようと思ったが、何となく寝る気になれない。
「久しぶりに、ぶらぶらするか」
ここの所、スーツとジャージ以外の服を着ていない。
祥子は、クローゼットの中を見て、溜め息を付いた。
「悲しい程に何もない」
掛かっていた服は、数年前から着ている服ばかり。どれも殆ど着ていない。
唯一、使うのは、ビンテージもののデニムのみ。
元々、それ程、お洒落に拘っている訳でもない。
晴に、これだから彼氏が出来ないのよって、怒られそうだ。
「…服でも買いに行くか」
昨日、椎名のマフラーを選んでいた晴を思い出した。
晴みたいにしようとは、思わないけど、自分が着る服位はご褒美に買ってもいいだろう。
取り敢えず、デニムと、セーターとトレンチコートを出して、準備を始めた。
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