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強いていうなら、此方の方が、デザイン性が高い…と言う位か。
うちの店のものは、シンプルなものが多いので、好みによる違い。
「良かったら、お手に取ってご覧になって下さいね」
先程の店員が、いつの間にか側によってきていた。
「わかりました」
買う気はないから、ここら辺で退散したい。
祥子が、出口にチラリと視線をやった時、
「同業者の方ですよね?」
冷や汗が出た。
バレてるとは思わなかった。
祥子は、観念したように、笑うと店員に視線を合わせる。
「バレましたか」
「分かりますよ、同じモール内のショップさんなんですから」
ネームプレートをよく見ると、名前の上に店長とかかれていた。
「すみません」
怒っていると言うよりは、悪戯を発見した時の様な顔をしている他店舗の店長。
でもここは素直に謝っておくべきだ。と、祥子は判断した。
「椎名君に頼まれたんでしょ?」
「あ…はい。あの、知り合いなんですか?」
椎名と言う名前が出た事に、驚いた。
「ええ、同じ大学だったから」
顔がバレてるって、そういう事か。
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