イブ4日前

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「でも、わざわざ部下使って来なくても、歓迎したのに」 くすくす笑う店長の視線は祥子になかった。 「…来たくて来たわけじゃない」 いつもとは、違う。 業務的な話し方をしていないから、誰がいるのか、一瞬解らなかった。 振り向くと、椎名が立っていた。 「あら、相変わらず無愛想ね」「仕事は済みましたか?」 店長には視線を合わせず、祥子に話し掛ける。 「あ…はい…」 なんだか、解らんが、わたしは凄い貴重な体験をしているのではないだろうか… 「それでは、用も済んだので失礼します」 「今度は、連絡してから来て。お茶位ご馳走するわ」 椎名は、返答もせずにスタスタと店を出て行く。 祥子も一礼すると、先に出て行った椎名を追いかけて、小走りでついて行く。 「…お腹空いてませんか?」 やっと追い付いて、隣に来た祥子に、ぽつりと呟いた。 「…はい。空いてます」 何だか空いてると言わなきゃいけない雰囲気で、取り敢えずそう答えた。 わたしがノーと言えないんじゃなくて、ノーと言わせない空気がある。 「お昼、行きましょうか」
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