イブ4日前

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鉄仮面の上司の図が、どんどんと壊れていく。 「お待たせしました」 ランチが運ばれてきた。 手作り感漂うホットサンドに、スープとサラダ、珈琲。 「本田さん、早く食べないと時間なくなりますよ」 時計を見ると、もう一時を過ぎている。 買い物する時間が余りない。 「そんなに時間掛かる訳じゃないですし、時間なかったらなかったで、また別の日にするので、いいですよ」 「すみません、付き合わせて」 サラダを口に運ぶ手が止まる。 椎名さんが、謝った。びっくりだ。 「…いえ」 何とかそれだけ言うと、サラダを口の中に押し込んだ。 「今日は収穫がありましたから」 苦手な上司と距離が縮まっただけでも、来た意味があったと思う。 ホットサンドを口に入れながら、この喫茶店の雰囲気を噛み締めた。 ほっとするこの空気と、素朴な味。 その空間が、更に祥子の気持ちを暖かいものにしていた。
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