171人が本棚に入れています
本棚に追加
斉藤宝なんて知り合いいないしな…。
友達にも斉藤という名字はない。
アドレスもフルネームも知ってるなんて、どこのどいつだよ。
これだけバレてるなら、返信してみるかな。
"一体誰ですか?"
短くそう打つと、メールを返信した。
そして顔を上げると既に電車が止まっていた。
「閉まるっ!」
カバンの中に携帯を突っ込むと、翔子は急いで電車に飛び乗った。
プシュー…
翔子が電車に乗った後、少し経ってから電車のドアが閉まる。
はぁぁ…良かった。
乗り遅れれば30分待たなければならない所だった。
一安心すると、一番近くの席に座った。
そこで携帯を取りだそうとカバンを開ける。
しかし、そこにあったのは、手帳と財布とハンカチと化粧ポーチだけ。
「あれ…ない」
いくら探しても見つからない。
さっきカバンから落としたのかな…。
しかし電車はもう発車してしまっている。
最初のコメントを投稿しよう!