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そんな事がまれに起こるため、通常として、Guardianは世界に一人だけしか存在出来ない事になっている。
しかし今回は、十夜が人間としての運命を変えられた歪みからか、その強大な能力が、何故か兄弟である一夜にまで出現してしまったのである。
そのせいで自身の意思というものを一時的に失い、暴走してしまった一夜を止めるべく、十夜と十二の式神が奮闘したのはかなり近い過去の事だった。
そして現在――。
敦象は意を決してインターホンのボタンを押していた。
部屋の中で軽快に鳴る音と共に、気配が動くのが分かる。
敦象が待つまでもなく、ガラス窓に望月探偵事務所と書かれたドアが静かに開き、中から不機嫌そうな顔の青年が出てくる。
短髪黒髪で右目に黄金色を、左目に紺碧色をたたえ、縦に沿った蛇独特の瞳孔が特徴的な、右耳に瞳の色と方向も色も同じ硝子玉が先についた、銀の鎖が揺れるピアスを二つつけている青年だった。
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