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それでも禁を破り私利私欲のために使った者は必ずその強さに負けて、自ら存在を消してしまうとも言われている紙一重の恐ろしい能力なのだ。
但し、能力が他の存在に向けて使われる時のみ正しく調節され、使う事が出来るのだという。
しかしある者が、己の私利私欲のためにその能力を使い始めた事から、一族の“刻”に対する畏敬の念は次第に薄れていき、ある時を境に急激にその数を減らしていった。
そのため敦象は主に“刻”を操る能力に長けており、一族の生き残りでもあるのだ。
そんな敦象の過去を知っている蛇眼だからこそ込められる皮肉なのだが、言われる方は嬉しくないものがある。
蛇眼にとっての来客は、イコール面倒事につながるらしい。
しかしそんな皮肉を込めている蛇眼も良い勝負である。
他の存在の事も、自分の事さえも気にかけない性質を持っている割に都会の喧騒が嫌いらしく、いつも事務所の留守を預かっているのだ。
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