第三章・―精霊の正体―

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 女の子は学園のものと思われる制服を着ており、近くに寄って顔を覗き込んだ敦象が驚きの声を上げたのだ。 「じ、じ、蛇眼殿っ。この女の方は、先程蛇眼殿が旧校舎で倒した方なのでは?」  それにつられて蛇眼も顔を覗き込むと、さほど驚きもしないで相槌を打つ。 「あぁ。そういえばこんな顔だったな」 「何故こんなところにいるのですかっ。俺達は彼女を置き去りにしてきた筈ですが……」  敦象が蛇眼の落ち着きようを焦れったく思ったのか、更に説明を加える。  するとそれに反応したのは、蛇眼ではなく玄櫂だった。 「それ、確かなのか?」 「間違いないですよ!」  敦象の力一杯の肯定の仕方に玄櫂は眉根を寄せ、蛇眼の方を見る。  玄櫂も疑問に思ったのだろう。  だが、蛇眼はそれでも落ち着いた態度を崩さず、実に爽やかに笑顔で答えた。
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