第三章・―精霊の正体―

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 言葉とは裏腹に、女の子を咎める素振りを見せずに蛇眼は背もたれに身を預ける。  直接的な事柄を説明すれば、また背後にいる面々に邪魔されるとでも思ったのか、黙ったまま女の子の顔を見て、華奢な両腕に視線を落とすとさりげなく話題を逸らした。 「何とも言えないな。直接手を下したのは君じゃあないが、 沢山の人間が死んでしまっているのも事実だ。……かと言って、皆に本当の事を話したところで、信じてもらえる訳じゃあない」  それを聞いて、女の子が泣きながら言い訳を始める。 「……るしかったんです。ずっと、誰も助けてくれなくて、でも辛くて。だから私、……皆死んでしまえば良いと思った」  蛇眼が女の子の言葉に眉根を寄せる。  何も言わないが、女の子の言葉の内に、不快になる要素があったようだ。  敦象は、また蛇眼が何か余計な事でも言い出しはしないかと不安になる。  しかし敦象が何か言おうとするのを、玄櫂が無言で遮り首を横に振った。
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