第三章・―精霊の正体―

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 どうやら玄櫂達は、蛇眼に全てを任せるつもりらしい。  敦象もそれを悟ると、そのまま見守る事にする。  その間にも、蛇眼と女の子の会話は続く。 「その皆の中には、君自身も含まれているのか」  何かを察したしたのか、質問をされた途端に、女の子が左手を庇うようにして引っ込めた。  しかし蛇眼は構わずに、女の子の両腕を掴むと服の袖を捲り上げる。  両腕は、痛々しい程に赤く腫れ上がっていた。  その内のいくつかに、明らかに自らつけた細い傷跡を見ると、初めて女の子自身を咎める声音で続ける。 「どうしてこんな事を……」 「だって、だって私」  蛇眼は女の子が流す涙を優しい手付きで拭った後、傷跡を指先でなでる。 「自らの命を投げ出す程の勇気があったのなら、君は何だって出来た筈だ。それなのに、どうして」  そうは口にしているが、無理に答えを求めているのではない優しい口調が、逆に女の子には堪えているらしい。
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