第四章・―一件落着―

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「やっと全て解決しましたね、蛇眼殿」  安堵の溜め息を吐きながら敦象が笑みを浮かべるが、言われた蛇眼は馬鹿にした笑いを含んだ声で、歯に衣着せぬ言葉を吐く。 「はっ、お前馬鹿か? 何が“全て解決しましたね”だ。まだ最大の問題が、教室の外に残っているだろうが」 「……それって、あのあ……もとい、精霊の事を言っているのか」  ショックのあまり固まってしまった敦象を押し退けて、玄櫂が代わりに話を進める。  しかし蛇眼はその質問さえも一蹴する。 「そんなモノはどうでも良い。アレは自分が元いた世界に帰してしまえば、それでお終いだからな。問題は、お前が壊した校舎。あの瓦礫の山だ」  蛇眼の言葉で、今度は玄櫂が固まってしまう。  蛇眼の中での最大の問題は、これ以上悪魔を現世に残しておく事による悪影響ではなく、玄櫂が壊してしまった校舎の後始末であるらしい。
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