第四章・―一件落着―

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 悪魔の事はどうでも良いのかと、心の中で朱梨が突っ込みつつ蛇眼に言う。 「それは……。素直に片付けるしかないよね」 「当然だ。あのまま結界を解いた場合の結果は、一目瞭然だ」  そこまで話が進んだところで、すっかり泣きやんだ女の子がおずおずと蛇眼に問いかける。 「……あの。教室の外……。どんな風になっているんですか」 「聞くまでもない、見れば分かる」  蛇眼はそう答えると、女の子の腕を引っ張り教室の外へと連れ出してしまう。  取り残された面々も後を追う中、これからどうしようかと相談を始めた矢先に、教室の外から小さな悲鳴が聞こえる。  あの女の子が半壊した校舎を見て、驚いたのだろうと誰もが思いながら出て行くと、辛うじて廊下といえるその床には、血だらけで苦しそうにしている蛇眼が倒れていた。  視線は、まっすぐ前を見詰めている。  全員が蛇眼の視線につられて見ると、先刻蒼輻と玄櫂が施した結界を難なく壊したらしい悪魔が、女の子の身体を捕まえて引き裂こうとしている場面だった。
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