第四章・―一件落着―

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 あり得ない光景にその場にいたというより、蛇眼を除く全員が、かなり無理のある現実逃避を始めたその頃ーー。  蛇眼は果敢にも現実と向き合い、尚も 悪意を撒き散らそうとする悪魔を止める算段を繰り出していた。 「止めろ!!」  傷付いた身体を引きずりつつ、女の子の身体を引き裂こうとしている悪魔の方へと蛇を模った眩いまでの光を放つ。  瞬間、辺りに響き渡る衝撃と爆音で一気に全員の現実逃避が解けたが、解けたところで今更役に立つ訳ではない。  そう瞬時に判断した蛇眼が尚も玄櫂達を無視して話を進める。  しばらくして爆風から姿を現した悪魔は無傷であった。  それも想定内の出来事であったので、見る側にとっては気味の悪い笑みを浮かべる悪魔を睨み、いつでも攻撃に転じられるよう身構える。  僅かにでもダメージを受けてくれればと願っていたのだが、それも叶わず思わず小さく舌打ちをすると共に、取り敢えず悪魔の動きを瞬間でも封じる事が出来たのを幸いに思う。
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