第四章・―一件落着―

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「君にとってあの女の子はそんなに大事な存在なの?」  既に心の内を見てきたような的確な言葉で、不意をつかれた蛇眼の香蛾刃を握る手の力が少し落ちる。  そのせいで途端に悪魔の力に圧される体勢となった蛇眼は、明らかに動揺しているようだった。  悪魔はニヤリと不気味に笑うと、更に意地悪い口調で続ける。 「そういえば君とあの子、凄く似ているもんねぇ」 「……黙れ」  そこで初めて悪魔の言葉を遮る。 「君は、何度死のうと思ったのかな」 「それ以上言うと……」 「どうなるんだよ。ねぇ。教えて?」  悪魔が大口をあけてけたけたと笑い出す。  蛇眼はしばらく黙ってそれを聞いていたが、やがて耳障りだとでも言うように突然香蛾刃を引いたのだ。  反動で悪魔が体勢を崩したのを確認した蛇眼が即座に、背中に思い切り香蛾刃を振り下ろす。
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