第四章・―一件落着―

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「ぎゃぁぁあぁっ!」  さすがにその状態からの反撃を食喰らうとは予想だにしなかったのか、聞くに耐えない金切り声が辺り一帯に響き渡る。  全員がその声に閉口し耳を塞ぐが、蛇眼だけが香蛾刃を振り下ろしたままの状態で、苦しみ悶える悪魔から一瞬たりとも目を逸らさずにいた。  そうしてすぐ、興味がなさそうに視線を逸らすと低い声で放った。 「お前なんぞに、俺の過去をとやかく言われたくないな。一度見逃してやった命を粗末にしたのはお前だ。……言った筈だ。俺は俺がどうなろうと、そこにいる馬鹿共の命を救いたいだけだ、と……」  言い終えるか終えないかの内に、蛇眼がその場に倒れてしまう。  慌てて全員で駆け寄るが、幸い命に別状はないようだった。  それでも一目で蛇眼の怪我が瀕死に近いものと悟ると、悪魔を睨みながら叫んだ。 「もう許さないぜ! お前だけは絶対に倒す!!」  全員が止める間もなく、玄櫂が悪魔に向かって攻撃をしかけようとしたその時ーー!
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