第四章・―一件落着―

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 気絶したままでいる、女の子の方へと視線を向けながら蛇眼は決意を込める。 「倒せるのかじゃあない。倒すんだ」 「でも、どうやって倒すの」  朱梨も悪魔の倒し方が分からないのか、首を傾げながら訊ねると、それには応えずに敦象に視線を遣り、簡潔に手筈を告げる。 「敦象、俺が合図をしたら“刻”を元に戻してくれ。玄櫂はそのままの位置で、俺がこいつの動きを止めるから。後は自分が思うように殺ってくれ」  全員が頷いたのをきっかけに、敦象がいつでも縛を解けるように準備をする。  玄櫂も攻撃の構えを取ったのを確認してから、蛇眼はカウントを取り始めた。 「いくぞ。三、二、一……今だっ、敦象!」  敦象がその声で悪魔の縛を解くと同時に、蛇眼が何事もなかったかのように、動き始めた悪魔の腕を思いきり掴んだ。  それを確認した玄櫂が、今までのお返しとばかりに、悪魔に強烈なボディーブローを食らわせた。  それを見計らって、蛇眼が掴んだ悪魔の腕を放す。
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