第四章・―一件落着―

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 悪魔が玄櫂に殴られた反動で、身体ごと吹き飛ばされて、崩れかけた壁に突っ込んでいく。  ぶつかった衝撃で壁は完全に崩れ、辺り一帯に砂煙が生じる。  蛇眼は立ち上がると、悪魔のいるであろう方へと向かって、悪魔より恐ろしい笑みを浮かべるのだ。 「さぁ、立てよ。これで終わりと思うなよ」  しかし悪魔が瓦礫に埋もれた辺りからは、何の反応もなかった。  しかし蛇眼は、再びその方向へ向かって言う。 「これが最後だ。立って俺に攻撃してみろ、全力で相手をしてやる」  ようやく瓦礫の中から、悪魔が立ち上がった。  首はいびつに曲がり、腕も足もまっすぐになってはいない状態でも悪魔は立っている。  ビジュアル的に耐えられないものがあった蛇眼を除く全員が、自然とその光景から視線を逸らす。 「ふざけやがって、よくもこの僕をここまで侮辱してくれたな。皆殺してやるからな!」  悪魔はそう叫びながら、蛇眼に向かって飛びかっていった。
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