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入学式から二週間が経った。 由良と麗夜は相変わらず…それ以上に仲良く過ごしている。 「あ…そうだ」 昼休み。 一緒にご飯を食べ終わった後、ゆったりと過ごしていたときに由良が呟いた。 「どうしたの?」 麗夜が由良の顔を覗きこんでいる。 「あ、いや…。明日の夜、暇??」 「…何かあるの?」 不思議そうな顔をして首をかしげる麗夜。 「あたしらのバンド、明日で解散するんだ…だから…最後のライブ見に来て欲しくて。興味あるって言ってたじゃん、前に」 この前バンドの話で盛り上がった。 あの歌詞がいい、あの声が好き、あのメンバーは面白いなどなど。 その時に由良のバンドの話になった。 由良のドラムの話からメンバーの話。 『聞いてみたい』 そう、麗夜は言っていた。 「行きたい!!」 「明日、あたしは放課後そのままライブハウス行くけど…どうする?」 「一緒に行くわ。制服のままでいいの?」 「いや、…出来れば私服がいいな。うちの学校の制服目立つし」 地元では人気の学校だけに、目立つ。 先生はいないとは思うが…念には念を、だ。 バレたら後で面倒な事になる。 というのは、校則で行ってはいけスも入っているからだ。 最初校則を読んだ時は腹が立ったが、このお坊ちゃまお嬢様にとっては充分に危険な場所なのかもしれない、と今は思える。 キーンコーンカーンコーン 予鈴がなった。 確か…次は美術。 移動しなければならない。 「美術室に行きましょうか?」
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