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流石に何時間も経って、大講堂は静けさを取り戻していた。 朝とはまるで違う。 カツン、カツン。 二人の足音が響いた。 「ごめんね…巻き込んじゃったみたい」 麗夜が頭を下げた。 髪の毛がサラサラと肩から流れる。 「んー?いや、あたしが勝手にやっただけ。逆にこっちこそごめん…首突っ込んで」 由良も頭を下げる。 髪の毛はショートカットだから流れてはこなかった。 しばらくの沈黙。 するとどちらともなく笑い声が聞こえてきた。 「あはは、変なの!!」 「ふふふ…」 「取り敢えず、麗夜はここにいといて。あたしは鞄取って来る」 「分かった…ありがとう」 落ち着いてから、フワリと笑った。
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